若葉物語 (作者:りこ)
若葉物語 【1】
1冊の分厚い本を開いたら、そこで私はまた泣いていた。
隣にはもちろん、君がいて。
私の涙をとめようとしているの?
そっと頬にキスをして。
くすぐったくて笑ってしまう。
どうしてあんなに、泣いていたんだっけ。
今となっては思い出せないけれど
君がいたから私はこうして。
・・・ほら、次のページの私は満面の笑顔だ。
覚えてる?
ねぇ 覚えてる?
僕のこと。
私のこと。
ボクのこと。
しぃちゃんのこと。
元気かい?
元気だよ。
りこ 著