名探偵サムネ [作者:レモンライム]
■2
今から三日前、ある校内アンケートが行われた。それは・・
「新藤サムネと岡野テツヤ、どちらが人気か」
というものである。この小学校において彼らは児童自らの鏡であり、誇りでもあった。
彼らを嫌う者は皆無に等しかった。
だが、互いの人気は左右に揺れたようだ。
女子「ぜーったい新藤くんでしょォ!!クールだし、格好いいし・・・」
男子「まあな。新藤は性格もいいもんな。」
男子「いや、おれはテツヤだな。面白いし、一緒にいて楽しいし。しかも推理力バツグン!」
男子「だよな。岡野だよやっぱ。新藤は大人しいからなア。あんまりだよ。」
女子「何いってんの?断然!新藤君!色白で透き通った顔で・・・あの円らな瞳が・・・」
女子「でも岡野君もイケメンだよ。色黒の体育会系で。」
総合的に見れば、女子は新藤派、男子は岡野派のようである。
顔立ちがいいのは2人の共通点である。
しかしながら、この二人、互いにライバル意識を働かせている。
負けず嫌いなのはお互い様のようだ。
あれから十日後、事件推理を終えた二人は学校に戻ってきた。
だが、当然二人とも同じ事件を担当したわけではない。
偶然終えた時期が同じだったのだ。負けず嫌いの彼らが同じ事件を2人で担当することはまず無い。
先に登校してきたのは、岡野テツヤだった。
中島「ようテツヤ!ご苦労だったな!」
テツヤ「おうまアな。でも今回は楽な方だったよ。」
石黒「さすがはテツヤ。またマスコミ来るんじゃねーの?」
テツヤ「いや、さっき校長が追い払ってたぜ。なんか最近の日課だとか。」
中島と石黒はテツヤの親しい友達である。
テツヤは人望が厚く、他にも沢山の友達がいる。
と、その時、新藤サムネもショルダーバッグを肩に教室へ入ってきた。
↓目次
【1】 → 【2】
|