スピッツの曲にまつわるオリジナル小説

ガーベラ (作者:ぽわん)

ガーベラ 第5話 【夏休み】

 突然の思いがけない告白に、答えるのに2日かかった。
というか、返事は一つに決まっていたんだけど、彼女の目を見て
答えるのに2日ほど勇気をためるのに使った、という感じだった。

放課後、勇気を出して言えたのは、なぜかこういうシーンでも奴が
隣にいたからである・・・・名前は言うまでもないか。


「あの・・・・僕も、好き・・・・・かもなんで、付き合ってください。」

「きゃーーーーっ!!好き、かもってのが微妙だけど!!よかったねぇ、
花音!!あはっ、あたし、お邪魔かしら〜〜!?」

・・・・・・・・・すでに邪魔だろう。

「嬉しい、勇気を出して言ってみてよかった。」

満面の笑みで、ちょっと頬が赤くなっていた。
やっぱりこの気持が「好き」というのだろうか。



付き合ってもなお、桜田は一緒にいた。
もうクラスのやつらも、「白川、夢川、桜田」で1セットに
しているようだ。初めは女とばかりいる僕をけなしていたやつも、
夏休みも近づくと、何も言わなくなった。

女とばかりいる自分が変だとも思わなかったし、
付き合っても遠慮を知らない桜田がくっついてくるのも気にならなかった。
もちろん、花音も全く気にしてないと言っていた。
バランスがとれているからだと思う。

3人で1セット。
全然いやじゃなかった。


「夏休みだねー!!ねぇねぇ、どこ行く、どこいく!!??」

「僕は別にどこでもいいけど。花音は?」

「私も、どこでも。」

「バカねぇー!!!夏休みは青春の1ページ!!思い出を作らなきゃ!!!」

「お前は、よくそんなクサイセリフ言えるなぁ。」


花音が笑いながら、いつもの小さな声で言う。

「3人で、山とか海に行って遊びたいな。」

「おぉ!!!自然と触れ合う!!いいじゃんいいじゃん!!!!決定!!!!」

「早いな・・・・。別にいいけどさ。海?山?」

「あたし泳げないから、絶対、絶対、山っっ!!!!!」

「お前なぁ・・・・・。」



・・・・・・・・明日から夏休みだ。

ぽわん 著