スピッツの曲にまつわるオリジナル小説

スノードロップ (作者:香夜)

スノードロップ 【15】

“幼なじみ”として会うって決めたのに

ドキドキする

苦しいくらいに愛しくなってくる

全部、君のせいだよ―・・・



「・・・そーゆー圭汰も・・・」

「ん?」

「おっきく・・・なったよ」

「そ?」

「う、うん。
 前よりなんか・・・」

「でも、中身は変わってねぇだろ??」

「・・・うん、“圭汰”のまんま」


圭汰宅へ向かう途中の会話。
久々に会っての会話・・・。

「明日香も・・・
 何だかんだいっても、9年前のまんまだな」

「そだね」

あたしたちは、陽炎の中を歩いた。


「着いたぞ、ここ俺ん家」

目の前には、小さなアパートがあった。

「アパート?」

「おー、借りてんだ」

「へぇ・・・」

そして、圭汰の手によって、ドアが開く。

そこは見たことのない世界だった・・・

「おぉー!!
 綺麗にしてんじゃん!!」

あたしは感動した。

「いきなり、それかぃ」

圭汰は少しムスっとしている。

「だって、ゴミ屋敷かと思ってたのに、
 案外綺麗なんだもん!!」

「・・・コイツは・・・
 人をなんだと思ってんだ」

でも、圭汰の匂いが広がっている
なんかすごくホッとしてしまう

・・・懐かしいなぁ


あたしは懐かしむように、目を細めて、
部屋を見つめていた。


すると、後ろから、圭汰の声が届く。

「おーい!飲みモン、ウーロンとコーラどっちぃ??」

あたしは、振り返り

「コーラ!!」

・・・と答えた。

香夜 著