スピッツの曲にまつわるオリジナル小説

スノードロップ (作者:香夜)

スノードロップ 【5】

今、あたしの頭の中はいろんな 
“疑問”で いっぱい・・・


圭汰、なんで迎えに来たの?

サッカーは? 朝練あるんじゃないの?

いっしょに登校なんて、小学生以来じゃん。
急にどうしたの?


などなど・・・
まだまだありますが、全部言ってたらキリがないので、 
やめておきます。


あぁ・・・、なんか目が回りそう・・・


「お母さん・・・、圭汰が迎えに来るなんて、おかしいよ・・・
 明日はきっと、台風だよ・・・」
「何馬鹿なこと言ってるの!!
 失礼でしょ!!」
「だってぇ〜」
「とりあえず、玄関で待ってもらってるから、
 さっさと支度なさい!」
母はしっかりとした口調でビシッと言う。
あたしはそれに素直に返事をすることしか、出来なかった。



「・・・なんかあるな」
あたしは洗面所で髪を結いながら言った。

「だって、そろそろバレンタインだし・・・」

きっと圭汰の奴、なんか企んでんだよ
うん!!
そうだよ!
そうとしか思えん!!


そうしているうちに支度は 終わっていた


「お、おはよ・・・」
「おう」
とりあえず、玄関で挨拶は交わした。


う〜ん、何企んでるんだろ・・・
地道に聞き出してみるか・・・。
先手必勝!!


「いっしょに登校とか、久しぶりだね!!」
「おう、そだな」
「あれ?今日、朝練は?」
「・・・休み」
「あ、そなんだ」

成る程。休みか・・・
今のところ、いつもと変わりないね・・・
もうちょい、聞き出すか・・・


「なぁ、明日香」
「はひっ!?」
圭汰が今日はじめて、自ら口を開いた。
それがあまりにも突然であたしはびっくりした。

「おい、そんなに驚くか?」
素で圭汰がツッコム。
「・・・悪かったね;
 で、どうしたの?」
「あんな、俺・・・」


「何?」





「俺な・・・」


「ん?」
















「・・・引っ越すんだ・・・」









「・・・え?」











中学2年の2月の朝 




君は弱々しく






あたしに  こう告げた―

香夜 著