インディゴ・ブルーの果て [作者:ゼン]
■1
藍色の空。
果てしなく広がる砂漠。
「へえ・・・・」
僕はその風景を見渡した。
で、ここはどこ?
わからない・・・・。
僕は旅の途中だった。
そもそも旅を始めたのは希望の無い毎日から抜け出したかっただった。
かつて昔の恋人と見た風景が忘れられなくて、それを探そうとふと思い立って今まで歩いてきた。
以前通った道をもう一度辿っているはずなのに。
でもこんな場所は来た覚えもないしそれ以前にどうやってここに来たのかも判らない。
道の途中に砂漠なんて無かったよ?
じゃあここはどこ?
「・・・・・・。」
荒れ果てた大地は右も左もわからないくらいに果てしなく続いていた。
「あ・・・・」
上を見上げると金色の光が射している。大きい月が出ている・・・。
でもその月は地上にもの凄く近くて、すこしだけ微笑んでいるように見えた。
そいつは大地や僕を照らす。でも、照らすだけだった。
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