スピッツ歌詞研究室 オリジナル小説
スピッツ歌詞TOPオリジナル小説>名探偵サムネ_01

名探偵サムネ [作者:レモンライム]

■1

「ねぇ、知ってる?例の少年。」
「もちろんさ。今やこの日本に彼を知らない人はいないね。」
「メディアじゃ彼の話題で持ちきり・・・」
「でも一切マスコミの問いかけには応じない・・・」
「あの年で性格は冷静沈着そのモノ・・・」
「おまけにビジュアルもよし・・・か。」
「全くとんでもないやつが現れたな・・・」

今日の日本。
時は2095年・・・
人口は約2億人と増加傾向である。
過去の少子化問題はなんだったのだろう。
おまけに高齢化なんて単語、みんな忘れてるくらい年齢問題も克服されている。
なんでこうなったか。誰がこうしたか。
まあそんなことはどうでもいい。
とにかくこの2億人の中にスゴイ「少年」が潜んでいるのだ・・・!



とある都会の小学校・・・
そこには毎日と言っていいほど、マスコミが押し寄せる。
当然学校側としてはいい迷惑で、校長の堪忍袋は今にも割れそうな風船そのもの。

校長「ここは公共の場です。そんなに騒がれるとはっきり言って迷惑なんですが?」

マスコミ「まあまあ校長。ここはお引取りくださいな。あなただってご存知でしょ。私たちがこんなに篤くなる理由は。」

校長「ええ。分かっていますよ。だがあいにく彼らは今日学校に来ていない。」

マスコミ「またまたア、ご冗談を・・・」

校長「・・・断言する。今日は来ていない。」

マスコミ「・・・・・・そ、そう・・そうですかィ・・」

校長のことばを聞き、一度ため息をついたマスコミはぞろぞろと足音をたてて帰っていった。
なぜごく普通の公立小学校にマスコミが来るのか。
そのわけは校長をはじめ、教頭、教職員、児童、近隣のみんなが知っている。
マスコミに慣れている小学生なんて聞いたことが無いが、ここの小学生はみんなそうだ。
なにしろスゴイ少年がこの小学校に通っているのだ。
ではスゴイ少年とは何がスゴイのか。

『推理』

この力が秀でている。もしくは秀ですぎている。
しかもそんな少年はこの学校に二人もいるのだ。

『岡野テツヤ』『新藤サムネ』

この1ヶ月で、彼らの受け持った事件数は合わせて27件、うち、24件を解決している。
警察でも手がでない難題を次々とこなしてきた。
その話題性は強力かつ迅速で、当然マスコミにとっておいしいネタである。
しかも彼ら、推理力だけがオハコではない。それは後にじわじわと分かってくるものなのだ。



↓目次

【1】 → 【2】