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悪魔のような君へ [作者:ユウコ]

■プロローグ

僕の人生は世界中の人々の人生と比べて5本指に入るくらい退屈なものだ。
毎日、決まった時間に起きて、
決まった時間に学校へ行って、
決まった時間に勉強して、
決まった時間に家に帰って、
決まった時間に塾へ行って、
決まった時間に家に帰って、
決まった時間に遅い夕食をとって、
決まった時間に寝床に就く。
そのくり返しを何日やってきたのか。
一年の10分の9ぐらいはそうだろう。
僕はもうそんな生活に我慢が出来なかった。
とにかく抜け出したかった。
僕は発作的に窓を開け放った。
高層マンションの三十階に住んでいるものだから、風の強さなんか半端じゃなかった。
僕は窓に足を掛けた。
この夜空を飛んでいけそうな気がした。
そう、もっと高く、もっと速く。
僕は腕を思いっきり伸ばして鳥のように力強く羽ばたいた。
だけどそんな僕の意識と裏腹に僕は地球の引力に逆らえず、アスファルトの地面に頭から打ち付けられた。





↓目次

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