スピッツの歌詞解釈のコーナー

魚 by アニー


(注) 歌詞 でありません。曲の意味を勝手に解釈したものです。

都会では他人の目が気になって、
普通の恋人同士のようなことが出来ないけど、
ここ、この海まで来たら僕らを知ってる人の目は無い。
そういうのを気にせずに、久々に自分を飾らず偽らずに、
大切な君と溶け合えそうな気がする。

周りから見ると僕らは恋人のように見えるだろうけど、
僕らは残念ながらそうではない。
愛はあるのに恋人ではない歯がゆさ。
でも今はこの短い逢瀬を想い出として胸に刻み、
星砂一つに閉じこめていたい。

僕たちには言葉は要らない。
でももっと早く君に出会いたかったと思っても、
僕らは一緒にはなれない。それは変えられない事実。

波が寄せては返す。鈍い光で陽は照ってはいるが海辺は肌寒い。
君の肩が震えているのは寒さのせい?それとも・・・

「子どもが産まれたら何て名付ける?」
「一緒に住むとしたらどんな家具にしようか。」
二人でそういう他愛のない話をする時、君はいつも笑顔だった。
それが実現しないということも知ってて、
無理に笑顔を作っているのも分かっていた。
僕は心を痛めながらも、
君とそんな輝かしい未来を想像するだけで癒されていたんだ。

「二人で海に入っても、私達は魚にはなれないのよね。」

魚になれなくても、想い出の僕らの海に入れば、
隠された世界へ行けるはずさ。怖くないさ。
こうすれはずっと、永遠に一緒にいられるんだ。

僕らを待ち受ける鉛色に輝く海。コンクリートにしみこむ陽射し。
僕らはもう都会には、いや、どこにも戻らない。



アニーさんからの投稿です。