スピッツの曲にまつわるオリジナル小説

楓〜kaede〜 (作者:ホワイトラビット)

楓〜kaede〜【2】

小学校一年生のとき
一緒に学校で遊んだ。
二年生でも、名前順は同じ。
クッキー作り。
よく席がとなりになる。
三年生
クラス替えでまた同じクラス。
いっちゃんとはるとも別れてしまった。
でも仲良くしてくれた。
変なあだ名も付けてくれた。

二年生あたりぐらいから
渚の事が気になりはじめた。
渚は明るくて、前向きで、元気な女の子だった。
僕はその渚が好きだった笑顔が見たくて、
おどけてみたり、楽しく話したりいたずらなやりとりをした。
逆に僕が落ち込んでたときはげまして笑ってくれた。
心のとげや悲しみさえも君がいれば
なくなってしまうだろう。
彼女は僕のことが好きなのだろう。
そんな勝手な思い込みをしていた。

仲良くしていると、周りは黙ってはいない。
「ラブラブ〜」
彼女は笑って受け流す。
僕にはできない必殺技だ。

僕は、彼女の事がとても好きだった。
渚の事が・・・。

渚はいつも笑っていた。
辛いことがあっても笑っていた。
その笑顔を色にたとえるなら
オレンジだ。
秋に見ごろを向かえる、
楓のようだった。

ホワイトラビット 著