スピッツの曲にまつわるオリジナル小説

満月の夜に消える -第1章- (作者:ダービー)

満月の夜に消える -第1章- 【2】

次の日の昼、私は昨日ミイムの鈴が落ちていた道へ向かった。
しかし、いくら探しても無かった。
私は混乱した。昨日確かにあの道を見たのに・・・。
私は交番で聞いてみる事にした。
「すみません。」
「はい、どうかしましたか?」
奥から小柄な警官が出てきた。
「あの、今猫を探しているんです。」
「猫?」
「はい、昨日急にいなくなっちゃって。手掛かりの物は見つけたんですけど
その手掛かりの物を見つけた道が分からなくなってしまって・・・。」
「どのような道でしたか?」
「確か古い民家が建ち並んでいてビルが全然見えないんです。」
「はぁ・・・?そんな道あったかな?住所とかは知ってますか?」
「住所は知らないのですが、道の名前なら。」
「なんていう道ですか?」
「満月ロード」
「はぁ、ここにはそんな道ありませんよ。」
「えっ!?」
私はボウ然とした。無い・・・? そんなバカな!!
「あの、ここら辺の地図とか見せてもらえませんか?」
「えぇ、いいですよ。」
警官は奥に入っていき、30秒後ぐらいに地図を持ってきた。
私はすぐに地図を広げ調べ始めた。自分の家の住所を頼りに昨日行った道順
どうりに目を進めた。しかし、満月ロードなんて無かった。
交差点がある所にしか通じなかった。私は地図を返した。
警官にお礼を言って交番を出た。
やっぱり変だ。なにかなっては行けないような事が起きている。
私は考えてみた。夜には確かに見たのに昼には無い・・・。
もしや、夜にしか現れないような道なんじゃ?でもそんな道この科学世界で
あり得るか?メルヘンだし、非現実だ。でも・・・1回行ってみようか。
12時に着くようにしよう。私は家へと歩いて行った。

ダービー 著