スピッツの曲にまつわるオリジナル小説

オケラ (作者:えりんこ)

オケラ 【3】

「ったぁ!」

尻もちで気がつくと、真っ白の部屋。


「ここどこ?」


「おー気付かれたか!」


「え…誰?」


「私はねー誰だろうね?」


「え?アキの声…っているわけねーなぁ…」


「アキちゃんって子、いるよ?」


「いるわけねーだろ!なんか変なのに引っ張られちゃったんだから!」


「この子じゃないの?」


名も名乗らぬ声は一枚のカードを上から落とした。


それは真っ白の部屋にも落ちてきた。


駆の手に吸い寄せられるように


「…!なんで?」


そこには亜希子の姿。泣いている。後ろには体格のいい男。


「あれ…師匠…!アキもいるし…」


「これねー僕のコレクション。」


「はぁ?」


「僕ね、カルタ集めてんの。」


「何のために?」


「え…それは秘密!」


「でも、アキ達返してよ。」


「いやだよー僕のコレクションだもん♪」


「どうしたら返してくれるの?」


「じゃあ今から僕とカルタやろう!」


「それで君が勝ったら僕のコレクションのワケとアキちゃんたちを帰そう。
たーだし!」


「ただし?」


「君が負けたら、アキちゃんたちは僕のもの。君の世界には帰れない。」


「お、俺はどうなるの?」


「君も僕のコレクション♪」


「てめーみたいな子供っぽいやつにコレクションされたくねーなぁー」


「こ、子供っぽいだと!?これでも80歳なのに…」


「はぁっはちじゅっさい…!?」


「うん。まぁやろっか!」


「やるって言ったってカルタはどこ?」


「今から案内するよ。封印場所(コロシアム)に。」


そういうと駆の立った場所だけ穴があいた。


「これまさかの展開じゃん!」

えりんこ 著