スピッツの曲にまつわるオリジナル小説

タイム・カプセル (作者:えりんこ)

タイム・カプセル 【30】

未紀はさっきまであったこと、未来があんなこと言ってた。こんなことやっ
てた。そんなことを全部携帯に吹き込んだ。

「では!未紀でした!」

最後そう言うと、終了ボタンを押した。

少し悲しくなった。涙までは出ないけど、なんか悲しい。

そんな思いが体中に走った。















































赤ランプを押すと3秒ほどで聞き慣れた声がしゃべりだした。


「こんにちはー!未紀です! もう帰っちゃいましたかー
 うーん残念ですね〜もっとたくさん話したかったのですが…
 でも、まさかつながるとは思いませんでしたよ!
 21世紀から20世紀へ電話なんて…笑っちゃいますね!
 だから今こうやって留守電に声を吹き込んでるってわけです。
 留守なのが残念です。

 さきほど母としゃべってました!
 草野さんが帰った!なんて言ったら、ちょっと驚いてました。
 それになんとなく寂しそうでした…
 父は最近単身赴任でいないんですよね…きっと愛に飢えている!
 なーんて!
 ふと思ったんですが、草野さんと父、なんとなく似てます!
 やっぱり母は…!

 なんか話すことなくなっちゃったなー!

 たぶんこれからも私の携帯つながってると思います!

 いつでも電話してください!待ってまーす!
 では!未紀でした!」


最後の言葉から少したったとき、電話の切れる電子音が聞こえた。


なぜだか顔を覆った。

何かあふれてる…自分でも分からない。


あふれてくる何かを必死で止めようと努力したけど、なんだかダメだ。

その何かが水になって落ちてくる。



受話器を持ったまま、動くことができなかった。





〜THE END〜




☆せーさくごき☆

なんだか変な始まり方で変な終わり方です(笑)

タイムスリップの続編という感じでやらせていただきました!
たぶんもうこのシリーズは卒業かな?
未紀と未来ってややこしい!(ぇ
書いててそう思いました(笑)

では!また書く日まで…♪

えりんこ 著