スピッツの曲にまつわるオリジナル小説

タイム・カプセル (作者:えりんこ)

タイム・カプセル 【22】

また早く起きてしまった。


「あ、また早く起きちゃった。」


なんだか周りの様子が違う。


「寝ぼけてるからだよなー俺の部屋ってこんな可愛くないし。」

左手を見ると、未紀の手を握っていた。


「また寝よー。」

















「ん?えええええええー!!!」




















未紀の声に飛び起きた。



「ど、どうした!?」


「この手はなんですか?」


「あ、これは…♪ちょっと待って!ぷれいばっく、ぷれいばっく!」


「ふざけないでくださいよ!」


未紀に怒られるとさすがに小さくなった。


「まぁそれより、なんで私の部屋なんだ?」


「え?ここ未紀ちゃんの部屋?」


「そうなんですけど...」


未紀はCDラジカセに手を伸ばし、中身を確認した。


「やっぱり!現代だ!」


「ど、どういうこと?」


「今度は草野さんがタイムスリップしちゃったってことですよ!」


「と、いうことは…?」


「お母さんが下にいますよ!」


「え?えええええええええええええ!」


















「ふたりともやかましいい!…」


突然扉が開き、目をとんがらせた女の人がフライパンを持ったまま部屋に入
ってきた。



「あ、お母さん!今起きた。」

「おはよう…ってこの人誰?どっから連れてきたの?未紀に何したんです
か!?」


「な、何もしてません!ほらほら!!」

草野は恐ろしくなって思わず両手を挙げた。


「あれ?どっかで見たことあるなー。」


その女はじっと草野の顔を見つめた。


「え??」

えりんこ 著