スピッツの曲にまつわるオリジナル小説

タイム・カプセル (作者:えりんこ)

タイム・カプセル 【6】

「未来ちゃんでしょ??」

ビクビクしながら後ろを振り返った。
すると、その男は未紀の前に回りこんで、未紀の顔をのぞきこんだ。

「やっぱりそうだ!」

すると、その男は未紀を急に抱き寄せた。

「???!??」

「ちょ、ちょっと待ってください!あなた、誰ですか??」

未紀はその男を突き放した。

「だ、誰って!そ、そ、そんなぁ!!!」

その男はかなりショックを受けたようだ。

「未来ってそもそも誰ですか?私は未紀です!人違いです!」

「へ?み、未紀ちゃんっていうの?? 未来ちゃんにそっくりなのに??」

「たぶんその未来ちゃんというのは、きっと私の母です。」

「は、はははっは、母??」

「ちょっと来て!」

「え・・・ えぇえええ!」

未紀はその男に腕を引っ張られ、どこかに連れていかれたのだった。

えりんこ 著