スピッツの曲にまつわるオリジナル小説

魔の君 (作者:ラカイル)

魔の君 【4】

1時間目終了のチャイムが鳴り終わったと同時に教室に戻る。
教室に入ろうとドアに近づいたら転校生が出てきた。
気にしないで入ろうと思ったら声をかけられた。
「やっと見つけたー、1時間目サボってたでしょ?」
見つけた?探してたって事だよな?なんで?
ああ隣の席だからかと納得して返事をする。
「まぁ、そうなるのかな」
「だめだよー、学生の本分は学ぶことなんだから」
「俺はいいの、点数が取れるから」
言葉のとおり俺はいつも点数がよかった。
「むぅー」
悔しがっていた。
不意に思い出した。
「そういえばさっき久しぶりって言ったよな?あったことあったっけ?」
我ながらひどい言い方だなーと思いながら答えを待っていると
「そうかぁ、覚えてないよね普通。私名前も言わなかなったから。」
「?」
何処であったのだろうと記憶を探る
転校生は周りを見てよしと頷いたと思ったら口を開いた。
「君は飛べないの?」
その言葉ですべてを思い出した。
夢であった少女のことについて
「えっ?」
きっと周りから見ると間抜けな顔してるのだろう。
「思い出した?」
彼女は俺の顔を覗き込む。
「まてまてまて」
「?」
彼女は首をかしげる。
「思い出したが、俺の記憶ではお前は俺の脳の中の生物だぞ。いつ飛び出したんだ?」
彼女はやれやれと言った感じにため息をつく。
「7年前君が見ていたものは夢じゃないの。」
「へっ?」
「君は自分の意識を飛ばしてたの。そこで偶然私の町に来て私にあったって事。」
俺はこの話を誰にも話したことはない。
だから、信じることにしてみた。
「てことはお前は本物?」
「そっ」
「えーと、再会を喜べばいいのかな?」
「そうだよー」
「えーと話したいこといっぱいあるんだが・・・」
「後で話そう。私あなたの家に住むことになったから。」
そういって教室に入っていく。
(え?俺の耳が正しければいま家に来るとか言ってなかったか?)
少し考えて自分の耳が腐っていると言う結論に達した。
彼女を追って教室に入る。

ラカイル 著