スピッツの曲にまつわるオリジナル小説

UFOの見える丘 (作者:ひかる)

UFOの見える丘 【12】〜完結

俺は眠った

久しぶりに、夢をみた

その夢は、どんなのかっていうと

とても居心地がよい場所に俺は居て、
そばには太陽のように暖かい人がいて
まなざしがある。

苦しんで、三途の川を渡ることも、もうない

そう、神様も言ってくれている気がした。






「水でうすめた歳月が、一回周ってもとにもどってきた
 お前はまだ、ウイリーで5万年間生きることができるんだぞ。
 シェリー、本当に良いのか。

 あの男の命と引き換えに、ウイリーにも月を導き、
 お前は地球上に、新しい生命をもって生まれる。

 これで、いいのか。


「はい。」


ウイリーの人たちにも、月というものを見てもらいたい
イエローというものを知ってもらいたい
あ、太陽ももってきたかったな。
いつの日か、翔が説明してくれた―――








一人の男が、天国へ旅立ったとき、

まるで、入れ違うかのように

一人の女の生をもった者が、かくばった街の狭間を目指して

地上にその命を飛び放った。




「シェリーに会えるかな」という気持ちとは裏腹に、

シェリーは、人間として生きていくために。




でも、

君にも、人間の愚かさが見えるときがくるだろう

そして、遠くに、また可笑しな未確認飛行物体を見つけるときが来るだろう



そんなときは、俺みたいに
好奇心だけで動いてみて
そして、

「UFOの見える丘」

に行ってみよう。





ひかる 著