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新田姉弟の生活 by えりんこ


新田姉弟の生活 【10】


夢の粒も すぐに はじくような


逆上がりの 世界を 「ガチャ。」


ドアが開いた。

「ありゃ?尾谷じゃん。一体どうした?」

「い、いや… ギターの音がするもんだから…」


何故俺はひきつけられたのだろう。この音と声に。

そんな小さな疑問が頭の中を駆け巡る。

「お、俺はただ…気になっただけで…」

「へー。かっくん。それだけ??」

麻奈が首を突っ込む。

「そそ、そうだけど!他に何がある?」

「じゃあ、何で顔が赤くなってんの?」

「赤くなってないし!いい加減にしろよ。」

「へー。ハハーンそういうことだったのね?」

「そ、そういうことってなんだよ!?」

「へー。へーへーへー。」

「麻奈ちゃん、何がそういうこと?」

「まぁまぁ、その辺は気にしないで!」

「うん…」

「じゃ、じゃあ俺は戻る。さいなら。」

「あ!ちょい待ちなさいな!」

麻奈が止めたが、克也は足早にドアの向こうへ消えた。

「な、麻奈ちゃん。あんな聞きたいことあるんじゃけど…」

「??なんでしょう?」

「尾谷と幼なじみな関係?麻奈ちゃんって?」

「えぇ。そうよ〜 うるさくて嫌な奴だけど。」

「へぇー」

「も、もしかしてもしかすると…??」

麻奈はキラキラした目で陽子を見る。

「…!? そんなわけない。ない。(笑)」

「なーんだ。つまんないの。」

「なぁなぁ、姉ちゃん!もうちょっとなんかやって!」

克利が陽子の服の袖口を引っ張る。

「はいはい…  キーンコーン」

「あ!チャイム!帰んなきゃね!」

「そのようじゃね…。カツ!あとでな!」

「う、うん…」

パッパと片付けると、3人はその場を去っていった。

えりんこ 著