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新田姉弟の生活 by えりんこ


新田姉弟の生活 【3】


克也が顔を上げてみると、大きなリヤカーがあった。

「なんだこのボロボロの車は?」

じっと眺めていると、誰かが話しかけてきた。

「ちょっと後ろに隠れさせて!」

5歳ぐらいだろうか?小さな男の子が話しかけてきた。すると、スルリと克也の後ろに隠れた。


「ほらー!カツ!どこ行っとると! とっとと出て来い!」


同じ歳ぐらいの女の子が方言交じりで呼んでいる。きっとこの男の子のことだろう。

克也を見つけると、こちらに小走りでやってきた。

「あの!5歳ぐらいの男の子見ませんでした?カツっていうんですけど・・・」

「それならここに・・・」

足元の男の子を指差した。

「もー!兄ちゃん!何で言っちゃうの!」

「はいはい。言い訳はよしと!どこ行ってるん!こっちは都会や!迷ったらどうするつもり?」

「・・・はい。ゴメンなさい・・・」

すると、その女の子は克也の方に振り返った。

「ご迷惑おかけしました。すいません!」

「い、いや・・・あ!名前、なんていうの?」

「あたしは陽子。新田陽子。 コイツは弟の克利。」

「俺は克也。尾谷克也」

「カツと似てるわ! 今日からここでお世話になるけん。よろしくたのむけん。」

「わかった。じゃあ、あとで!」

「うん!」


終わろうとした時、克利が何かに気づいた。



「姉ちゃん。リヤカーに穴開いてる。」

「え!? もしかして、尾谷。さてはお前石蹴って、当てただろう。」

「な、なんで!? ・・・わかるの?」

「あぁ!あぁ!あぁ!これは生活に欠かせないのに!」

「弁償してもらうけんな!」

「だったら車でも買えばいいじゃん。」

「こっちはな、買う金なんてこれっぽっちもねぇんだ! そんなで大金使ったらもったいないけん。」

「へぇ。そんな金もねえのか。」





  バチッ。バキシッ。ドカッ。



「あんた、本気でゆるさねぇからな!貧乏で何が悪いんじゃ!ふざけんじゃねえ。」

えりんこ 著