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新田姉弟の生活 by えりんこ


新田姉弟の生活 【1】


「自転車積んだか? 食料積んだか?」

「大丈夫!積んだ!そんな心配すんなってば!大丈夫たいよ!」

「本当かい? カツのことも頼んだぞ」

「わかっとる。カツはしっかりしとるけん。大丈夫たい。」

「そうやな。じゃあ気をつけな! 一日ぐらいでつくから。」

「わかった! 母ちゃんも治ったらすぐ電話かけてな!」

「うん。」

「じゃあな!」



ゴロゴロとあぜ道をリヤカーがゆっくり進む。

振り返って手を振った。 大きく。大きく。



「カツ?大丈夫だな!」

「うん。オラ男だ!」

「おぉ!強ぇな!じゃあ、勉強もいっぱいするんだぞ!」

「うん!それが楽しみだな!」


リヤカーをゴロゴロと引いているのは、女の子。
高校生にも中学生ぐらいにも見える。

そのリヤカーに乗って、女の子に一生懸命話しているのは、小さな男の子。
きっとまだ小学生じゃないだろう。

この2人こそタイトルの新田姉弟だ。
これから遠くの町へ行くのだ。








「ほら!カツ!ついたぞ!起きろ! ここが今日からあたいらの家だよ!」

「ぅ・・・うん。でも隣んちはバカでけぇな〜。」

「そうだな〜。こんなうちはあたいらは住めんのよ。でも、ホントばかでけぇな!」

「姉ちゃん!早く中入ろう!おなかすいた!」

「あいよ!じゃあ、まずは大家さんとこ行くぞ。」

「はーい!」


2人は古びたアパートに足を入れた。もうあたりはすっかり真っ暗だった。

えりんこ 著