スピッツの曲にまつわるオリジナル小説

僕のシロツメクサ (作者:ミルク)

僕のシロツメクサ 【4】〜完結

「ねぇ、優。」


緊張のあまり、頭がだんだん、真っ白くなっていく。




「ん?どうしたの?」









「・・・ずっと、きみが好きだったんだ」






冷たい風が、僕らの間を吹きぬけた。






彼女のなびく髪の毛が、光にあたってきれいだった。

髪だけじゃない、彼女のすべてがきれいだった。




「私は・・・ あなたのことを 深く愛せるかしら?」

 






「・・・・きっと無理なんだろうね。」

「・・・え?」

「それって、とても難しいことなんだろう?」

「隼祐、私・・・― 」






僕は、優の頬にふれてみた。


キスをしようとか、そういうことじゃなくて。





大理石のように、白くて透き通った、冷たい、彼女の頬。

とてもきれいだった。





今まで彼女にふれたことは、一度もなかった。





きっと、今日が最初で最後だろう。

友達で居られるのも、今日が最後だ。









「・・・さよならなんだね」













スケジュール帳に、今日のことをメモしておこう


午後 冷たい頬にふれてみた って。



そうだ、シロツメグサも一緒に挿もうか





そうすれば 時が流れても ずっときれいな思い出のまま のこれるね


それだけで じゅうぶんだよね


それで いいよね?















―・・・さよなら ぼくの シロツメグサ。






=完結=

ミルク 著