スピッツの曲にまつわるオリジナル小説

夢の世界へ行けたから (作者:笑顔)

夢の世界へ行けたから 【13】

 秋人君は、どこへ行ったんだろう…。

『秋人君!!どこ!?』

もう届くはずない。僕の心のどこかで
そんな思いがあったけど、それをおもったら
僕はこのまま勇気に負けてしまう。

『秋人く〜ん!!』

声が…喉が痛いよ。
もう何時間くらいたったのかな?
10時間は超えてる。

その時だった。

ものすごい光りが僕を襲った。
頭が割れそうに痛かった。
冷たく光る青白い光り。振り返ると…

『…秋人…君?』

『…。』

確かに秋人君だ。
でも、目に光がない。

『秋人君!?』

『…消えろ…』

秋人君は、僕を襲った。
何で?理解できないよ…。
これも勇気の力?最悪な気分だよ。

『どうしたんだよ!?秋人君!!』

『うるさいんだよ、次森現二』

右手を高く上に向けて
光りをサッカーボールくらいの大きさにすると
僕に向かって投げてくる。

『…もう!!』

戦いたくない。
でも戦わなくちゃ…。
これが秋人君だろうと。
そう思いながら、僕は金色に輝く杖を振った。

杖が放つ金色の光りは
秋人君の左肩に命中した。

『…くっ』

秋人君が不吉な笑みを浮かべていた。
怖いけど、前を向いて戦わなきゃ。

『弱っちぃな、次森現二』

『秋人君!!』

僕は秋人君の放った光りのたまに
左足をやられた。
きっと、骨が折れた。
そんな痛みだった…。
秋人くんの肩が…。治ってる!?

『…どこまでやるんだよ!!勇気!!』

僕は思った…
勇気の力によって秋人君が苦しめられてるなら
勇気は相当残酷な人間だ。
秋人君は、自分の言いたくない言葉を発して、僕に攻撃して…。
痛いよね。

『秋人君…』

僕の頬を、一筋の涙かが伝った。
…その瞬間、僕の杖が剣へを変わった。

『…え?』

僕は、剣を少し眺めて、足の痛みをこらえて高く舞い上がった。
…そして、秋人君に剣をさした。
心がつぶれる感じがした。

『うあぁぁぁ!!』

僕は秋人君の声を聞いて
死にたくなった。…え?

『秋人君?』

秋人君の目が、前の秋人君の目に戻っていた。
でも、秋人君の傷口はふさがっていない。

『…嘘でしょ?』

痛みが走った。
色んな痛み。
心が引きちぎれそうだった。

笑顔 著