スピッツの曲にまつわるオリジナル小説

夢の世界へ行けたから (作者:笑顔)

夢の世界へ行けたから 【9】

『病院だけど・・・』
『勝手にすみません!』
『あ、そうじゃなくて』
『え?』
『重くなかった?』

僕がそう聞いたら、その子は笑ってた。

『全然重く無かったですよ。軽かったです』

『そう?ならいいけど、ありがとう!運んできてくれて!』

『いえいえ』

『本当にありがとう!』

『いいんですよ』

って、笑ってくれた。

『ところで、君の名前は?』

『あ!申し送れてすみません!僕、蘭 秋人(らんあきと)っていいます』

『日本の子?』

『いや、ハーフです』

『そうなんだ、僕は、次森 現ニ よろしくね、まだ小6だけど』

『え?』

秋人君がビックリしたような顔をしていた。

『僕より1つ年上なんですか!?』

『え!?秋人君5年生?』

『はい!そうです!』

『身長が大きいんだね・・・』

ぱっと見た目、160cmはある、僕は154cmだ・・・。

『よく言われます、でも、あんまり大きいの、好きじゃないんです』

『そうなんだ…』

『でも、現ニさんに言ってもらって、嬉しかったですよ』

その言葉を聞いて、秋人君は、僕より大人だなって思った。

笑顔 著