スピッツの曲にまつわるオリジナル小説

ガーベラ (作者:ぽわん)

ガーベラ 第4話 【恋心】

窓側の一番後ろの席、桜田に名前を叫ばれ自分もそこへ向かう。

すれ違うことはあったけど、席がえも半年に一回という変な規則の
せいもあったし、一番後ろの席lである彼女とは、特に話したことはなかった。

けど・・・すれ違う時、なるべく変に思われないようにしながら・・・
ギリギリのところまで、僕は彼女を見てしまっていた。
彼女のことを、気になってはいた。
だけどそれは、あの自己紹介の時に桜田の次か、同じくらい印象に残っていたせい
だと思う・・・・・たぶん・・・・・・。たぶん・・・・・・・?


僕の目をまっすぐ見て、彼女は口を開いた。

「話すの、初めてだね。一応、紹介、夢川花音です。お花の花に、音。」

「そうだね、でも名前は覚えてるよ・・・・。」

僕は彼女から目をそらす。

「・・・そっかぁ。」

桜田とは正反対で、おとなしく小声で喋る。
何より、彼女とはどうも目を長く合わせていられない。
・・・・・・なんでだ?

「あははっ!暗いなぁ〜二人とも!!会話終了!?きゃはは!!」

・・・・・・こいつは全く。




「私、白川君のこと、好きだなぁ・・・・・・。」



え?


小さな声だった。


「えぇぇぇえーーーーーっ!!!花音!!!!???」


大きな声だった。


周りのやつらは、桜田の声だけ聞いて驚いたようだ。


「一目惚れなんだ・・・・えへへ・・・。」


笑った顔が、憎らしいほど可愛いと思ってしまった。

ぽわん 著