スピッツの曲にまつわるオリジナル小説

ガーベラ (作者:ぽわん)

ガーベラ 第3話 【友達】

自己紹介の日から3か月たった。

初めは、友達はいらないと思っていた。作る気もなかった。

結果・・・・・・僕にできたのは男友達ではなく、女友達だった。

桜田未央はなにかと授業中後ろをふりかえり、話しかけてきた。

「やばいやばい、次の問12の答え教えて!あたしあたりそう!!」
「・・・・・・たぶん25」
「おい桜田!先生は白川に聞いてるんじゃない!お前に聞いてるんだ。」
「ちぇ、バレたかっ」

という感じだ。どうやら彼女は自分が声がでかくて、自分はこっそり聞いているつもりなのだが
実は教師に丸聞こえ・・・というのをわかってないのだろう。
それがおかしくて、つい僕は笑っていた。


「白川くん、けっこう笑うんだ!」

休み時間、彼女はいきなり振り返ってそう言った。

「笑うよ。僕をなんだと思ってるんだよ。」

「だって、あの自己紹介怖かったんだもん!声、怒ってるみたいだったし!」

「別に怒ってはなかったけど・・・。」

「花音ってば白川君のマネしちゃって!それはおもしろかったけどね!」

「あぁ・・・あの人・・・・・。」

「あたしの唯一の女友達なの、花音は!」

「お前、友達そんないないの?」

「白川君に言われたくないっ!」

「まぁそうだけどさ・・・。」

「あたし、声でかくて、バカみたいにテンション高くて、ウザイ!んだって!!」

「えっ・・・・・・。」

「でも花音は違うの・・・・・。おーい、花音!!!」

いつもと変わらず大きな声で、彼女は席から離れていった。
その時僕は初めて
「桜田未央の友達でいたい」と思った。


「花音も白川君のお友達になりたいってー!!」


その子は、僕と目が合うとニコッとほほ笑んだ。

ぽわん 著