スピッツの曲にまつわるオリジナル小説

スノードロップ (作者:香夜)

スノードロップ 【17】

ゆらゆら・・・

陽炎が揺れる


とある夏の夕方・・・


「・・・っ!」

圭汰宅を出てから、約10分。
あたしは人通りのない、道の上でしゃがみ込んでいた。


頭がジリジリして 

熱い・・・!!

クラクラする・・・


「・・・け・・・圭汰・・・っ」


苦しい・・・


たすけて―・・・



「やっぱし」

後ろから声が降ってくる。
聞き覚えのある・・・。


え・・・?圭汰??


「心配して、ついて来て良かった
 ・・・ほれ、おぶっちゃる」

・・・と、あたしの方に背中を向ける。

「え・・・っや・・・ 
 いーよ・・・重いし・・・」

「何言ってんだ
 らしくねーな!
 ・・・ほれっ!!」

あたしはそう促され、渋々圭汰の背中に身体を
預けた。

「ん?
 思ったより、軽いじゃん!」

そう言って、圭汰は歩き始める。


・・・優しすぎるよ、圭汰は・・・
なんでそんな優しいの?



戻りたくない、戻したくないと思うのに


“幼なじみ”で居ようと思うのに・・・



「け・・・いた・・・」

「・・・ん?」






「・・・すき」






また、あふれだす―・・・

香夜 著