スピッツの曲にまつわるオリジナル小説

スノードロップ (作者:香夜)

スノードロップ 【14】

アナウンスが耳に入る・・・。

あたしは荷物を持ち、
搭乗口へと

歩き出す―・・・




そして、飛行機は東京へと向かった。









数時間後

あたしは東京の空の下にいた。

圭汰を探す。


「来るって言ってたよなぁ・・・」

ちょいと不安・・・

まさか、忘れてたり・・・?


・・・と、その時

「明日香?」

後ろから、聞き覚えのある声が
あたしを呼ぶ。

・・・え?

あたしは振り向く。

「お、やっぱ明日香じゃん!」

そこには、

圭汰がいた―

「け・・・圭汰?」

驚いた

背伸びてるし、
大人っぽくなってるし・・・


しばらく、圭汰を見上げていた。


すると、頬を抓られ

「なぁに寝惚けてんだよ、行くぞ」

と、圭汰は少し微笑みながら言った。



な、なんか“圭汰”だけど・・・

ちがうひと・・・みたい


あたしは、圭汰のトナリ(特等席)について

歩いた。


外は暑い陽射しが照りつけ、陽炎もみえる。

「あちぃよなぁー」

圭汰はTシャツの襟をパタパタさせている。

「だねー」

あたしはその仕草を目にし、微笑む。


「・・・なー、明日香、髪型変えた?」

「んー、まーね
 最近ちょっと伸ばしてるの」

「・・・暑いのに?」

「・・・うん、暑いのに」

「くっ・・・なんだそれ」


彼は笑った。


何年ぶりだろうか・・・




大好きなこの笑顔を見たのは・・・

香夜 著