スピッツの曲にまつわるオリジナル小説

幸せへの約束 (作者:milk)

幸せへの約束 【7】

「ほわぁぁぁ・・・」

奇声?というか、何だかよくわからないが、素直に感動の声を上げる彼女の純粋さはすごいと思う。

「ほわぁって・・・ははは」

そんな彼女を、少しからかってみる。
俺はとんでもなく低レベルだと、痛感する。

「・・・・・。」

顔を真っ赤にさせて、彼女は黙り込んでしまった。
なんだか悪いことをしてしまった気がした。

「・・・ごめん、冗談だよ」

「へ、いや…だいじょうぶです」

それから彼女は、少し照れくさそうにしながらも、砂浜の方へ走り出した。

「白河?早くっ」

「・・・おう」

俺はとんでもなく幸せものなんだと思う。…たぶん。

冗談を言っても、優しく、純粋に、俺のことを呼んでくれる。

いつかは“当たり前”に、なってしまうのかもしれない。でもそれを“幸せ”って思え続ければ・・・とただただ思う。

「ねぇ、早くって言ってるでしょ?」


・・・朝日は俺たちに近づいてるようだった。

milk 著