スピッツの曲にまつわるオリジナル小説

ハニーハニー (作者:P)

ハニーハニー 【15】

「お前いままで俺がどんだけ待ったと思ってんだよ!」
「ごめん・・・・。」
「あのなぁ、なにがあったか知んないけど、少しは俺になんか言ってから来なくなれ
よ!」
「うん・・・・・・。」
―――なんか説教されてるような・・・。
「俺だって心配くらいすんだからな!1年以上もメール返事こねーし、学校にもこ
ねーしよ。なんなんだよ!」
「ごめん・・・・。」
―――でも、待っててくれたんだね。
「待っててくれてありがとう・・・・。」
「は?」
「だから・・・・、毎日わたし待っててくれたんでしょ?だから・・・・」
―――ありがとう。
泣けてきた。
1年以上もわたしを待ってくれる人なんて、絶対、いない。
この人以外は。
「・・・・なに泣いてんだよ・・・・・。」
「いいじゃんか。別に。」
風がため息をつく。
「お前、なんか泣いてばっかだぞ。」
「涙もろくなったのかも。」
「なにがあったんだよ。お前がこなくなるってことは、外でなんかあったんだろ?」
「まあね・・・・・。」
先輩のことを話した。
1年以上経ってもまだ、あの笑い声は消えなかったけど。
また、涙が出てきたけど。
「なんで俺に言わなかったんだよ。」
「だって、メールしてること忘れてたんだもん・・・・。」
「はぁ!?普通忘れるか!?じゃあ、メールの返事は?」
「なんとなく出来なかったというか・・・・。見てないし・・・・。」
風の顔が赤くなった。
―――?
「・・・・見てないのか・・・・・?」
「最後のだけは見た。」
風が座り込んだ。
「見るんじゃねーぞ。」
わたしは携帯を取り出して、風の最初のメールから開き始めた。
「見るなって!!!!」
「じゃあ、内容教えてよ。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「なんなの?まさか!」
「え?」
「わたしの悪口とか!?最悪・・・・。」
「んなもんかかねぇよ!」
「じゃあなに?」
わたしはちょっと期待してしまった。
まさか。と思いながらも、心のどこかで。

P 著