スピッツの曲にまつわるオリジナル小説

ハニーハニー (作者:P)

ハニーハニー 【8】

次の日、また、早くに目が覚めた。
―――今日も散歩、行きますか・・・。
なんとなく、お気に入りの服を着て。
ちょっとだけ、髪をしっかりセットして。
出かけたさきは、あの公園。
―――誰もいない・・・・。
楽しくなくなった。
持ってきた本を広げ、読み始める。
ちょっと寒い・・・・。
「わっ」
「ひぎゃっ」
「・・・・・おまえ、毎日きてんのか・・・???」
風だ。
なんか楽しい・・・。
「いや、ときどき」
「よかったー。俺毎日きてるから、今まで気づいてなかったのかもって思ってさ。」
へー、毎日来てるんだぁ・・・。
明日も来よう。
「なんで毎日?」
「目ぇ覚めるんだよね。なんか」
「へー」
一緒だ。
なんか嬉しい・・・・。
「なに読んでんの?」
「ああ、宇宙のやつ。なんか面白そうで。」
「マジ?俺宇宙だいすきなんだけどっ。」
「読む?」
「読む読む!!」
その姿を見ていると、ほっとした。
その時間だけ、心のおもりが取れた。
―――こいつ、なんで毎日来てんだろう・・?
なぜか、知りたくなった。
どこに住んでるかも知りたい。
行く勇気は全然ないけど。

P 著