スピッツの曲にまつわるオリジナル小説

クリスピー (作者:ひかる)

クリスピー 【16】

チュンチュン、小鳥が鳴いている。もう朝だ。

「う〜ん、よく寝た〜

先に起きたのは翔。

翔「何があったっけ・・・というより・・・何でこうなってるのっ??!

驚くのも無理はない。すぐそこにナナがいるのだ、しかも寝ている。

あまりの声の大きさにナナが目覚めた。

ナナ「う〜ん・・おはよ〜お

翔「えっ?ええ?

状況を飲み込めない翔に気づき、昨夜あったことをナナが説明した。

翔はひどく赤面した。

翔「ごっ、ごめんねっ!そんなことしちゃってたなんて・・

  しかも肩までおぶらせちゃって・・全然覚えてない・・。

ナナ「ううん、私のほうこそ強引にお店に誘っちゃったから。

   でも・・酔いたかったのになー

翔「ぇえ?!

ナナ「とにかく何もなかったから。まあ、大胆なことはされたけどね。

翔「ほんとにごめんね〜!

ナナ「いいよいいよ。

ふふふっと笑った。

ナナ「そうだ!昨日のプレゼント。気に入ってもらえるかわからないけど・・はいっ!

翔「僕も。はい。

「いっせーのーでっ!!」

ナナ「わあ・・・大きな貝がら、白色がかわいい。ありがとう。

翔「わっ、きれいだね、ありがとう。


今日は東京へ帰る日。

荷物をまとめて車に乗った。

♪僕が君に出会ったのはー 冬も終わりのことだったー

ナナ「私たちが出会ったのは冬の終わりじゃなかったよね。

翔「そうだね。そういえば、僕らが出会ってもうすぐ2年になるんだね。

ナナ「何て言ううた?

翔「‘ヒバリのこころ’

ナナ「好きだなー、それ。



その頃、ナナの父はナナを探していた。

「何かが起こるかもしれない。」

今のナナの居場所は知らなかったから、必死に探した。


「7ヵ月後の3月に決行だ」

ナナと翔が引き裂かれてゆく日が近づいていた。

ひかる 著