スピッツの曲にまつわるオリジナル小説

さくらんぼ探偵事務所 (作者:りょぅ仔)

さくらんぼ探偵事務所 【第7話】

あぁー

寝心地悪。

ほんと、悪。

フザけてるわよ

このあたくしをこんなベッドに寝かせるなんて。
常識というものがなってないわ。

なんか埃臭いし、気のせいだと信じたいけどカビ臭いし。

今何時よ?

んんん?

7時か。

あーぁ、結局4時間くらいしかまともに寝てないし。




「・・・・・はぁ、よっと」

カビ臭いベットから立ち上がり、一度背伸びをする。


窓を開け、今日の天気を確認。

くもりかよ。

また微妙な天気ですわね。


そうですわ。

"崎山"ってどんな人でしょうか?

昨日はホームセンターへ行っていたんですわよね。

そろそろ帰って来ててもいいんじゃないかしら。

昨日は結局帰って来なかったですし・・・






「・・・・ギィ・・・」


とイヤな音をたてて、扉が開く。

廊下は静かで、まだ誰も起きていないようだ。


「・・・ほんっと、事務所の人間が7時以降の起床って遅すぎますわ。」



独り言をブツブツ言いながら、バタンと部屋の扉を閉める。


埃が舞う廊下を4・5歩進み、隣の"崎山"の部屋の扉を叩く。


「・・・・コンコン・・・」


応答なし。


「勝手に入ってもいいってことですわよね。」


正しいことは全く言ってないが、勝手に扉を開ける。



そこには










「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



「・・・バタン」


一回扉を閉める。


そして、また開ける

やっぱりそこには

















「ひぃぎぃゃァァぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁああぁぁあーーーーーー!!!!!!

 人死んじょらーーーーーい☆!!!!!!!!!!!」



涙を流しながら、田村に部屋に急行。


なんでなんでなんでなんで!?

なんでこの世に生を受けて十五年の罪無き娘が、朝方から死体を発見せにゃならんのだ!?

そりゃぁ、事件は現場で起きてるけど!

十五歳にはリアルに生々しいでしょうが!!

口からなんか出てた!

液体的なものが!!


あれですか!?
昨夜メンバーがわたくしに無言で答えたアレですか!?




「田ァァァァァァァァァァ村ァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!」


「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!

 なななナナちゃん!?
 ビックしたぁ!!心臓が止まるかと・・「心臓止まんのはこっちよ!!」


菜々子は、田村の上に飛び乗って叫んだ。



「"崎山"の部屋に人が死んでるの!
 事件が現場で起きたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!
 口からなんか出てましたわぁぁぁぁぁぁ!!!ドバドバーって!!!」


田村が眠そうに頭を掻きながら、ムックリと起き上がる。

そして

「・・・・・うそぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーーん!!!!!?????」

と一声。

「ほんとぉぉぉぉーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!」

と、答える菜々子。



「「まじでかぁぁぁぁぁぁ!!!!」」



「ってなんでアンタらも居るんですの!?」



田村はともかく、いきなりの草野と三輪の登場に突っ込みを入れる菜々子。

草野は、足早に田村と菜々子に近付き、言った。

「・・・・朝っぱらから、男の部屋に行くなんて!!
 まじでかぁ!!!」

「ってお前はそっちかよ。
 いちいちそーゆうの敏感じゃね?」

草野の発言に、三輪が草野の後頭部を思いっ切り叩きながら言った。


その場に居た四人は、円を作りなぜかヒソヒソ声で話し合った。


「・・・・ほんとに居たんですのよ。
 アレは間違いないですわ。
 部屋の中央でグテッと・・・・」


「ヤバくないか?
 それ・・・お化け?」

「どーする、家賃が妙に安いと思ったら何?いわく付き?」

「とにかく、事件は会議室で起こってんじゃねぇかた現場を見に行ったほうが・・・」





・・・・・・・・・・・・・で

「先頭わたくしっておかしくないですの!?」


縦一列に並んだメンバーの順番は

先 菜々子  三輪  草野  田村 後

である。

「フツウ女の子を労わりませんか!?」


「「「・・・・ごめん、俺たちそーゆー気遣い持ち合わせてないから。」」」


三人歩調を合わせて崎山の部屋に向かう。

部屋の前に来て、扉を開く。




「・・・・・ギイイイイイ」



中には・・・・・


一人の人間が、口から何か液体的なものを出して倒れている。


それを見た四人は言った。















「「「「・・・・・・やっぱいんじゃんーーーーーーーー!!!」」」」

りょぅ仔 著