会いにゆくよ (作者:ぽわん)
会いにゆくよ【2】
さてそろそろ君と話して2時間たつ。電話料金が気になってくる。
「最近一気に冬モードだよねぇ。また今度あったかーいシチューでも
作りにきてよね。」
もちろん、君のためならなんだって。
その言って、ふと窓に目をやるとちょうどひとつ、星が流れた。
お願いしなきゃ!
そう思ったとたん星は消えていた。
・・・・・・ねぇ、僕のこと好き?
「そんなのわかってんでしょ?いちいち言わないわよ、そんな
顔から火が出るようなセリフ! じゃあもう親が風呂入れって
うるさいから切るからね!ばいばい!」
一気にそう言って、僕が別れを告げる前に乱暴なブチッという音で
つながってた線を切ってしまった。
ちょっと期待して窓をまた見てみたけれど、寒い風が窓を揺らしただけだった。
ぽわん 著