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Y by 優Y 【8】何度瞬きをしても美奈の姿は消えなかった。 握った手からは体温は伝わってこないもののしっかりとした感触があり、夢ではないということがわかる。 でもどうして… 「私がここにいるのが不思議でたまらないって顔ね?」 ニヤリと意地悪そうな顔で美奈が言った。黙って頷く。 「これ、何だかわかる?」 そう言って美奈は一枚の紙を突き出してきた。 上には象形文字のようなものが並んでおり、さらに一度誰かに破られたあとがありボロボロになっていた。 「何だこれ…?見たこと無い文字だな」 「『私は死んだ後一度だけ川上崇史と会い、その後は貴方に使える鳥となり貴方に尽くすということを誓います』」 「は?」 「そんな感じのことが書かれてるんだって、その紙に」 「ふ〜ん…。契約書ってやつか?」 「そうだと思う。その紙無いとこうやって会うこともできないの。崇史がビリビリに破いちゃったから、拾い集めるの大変だったんだから」 「俺、こんな紙破いた記憶ないけど」 「心の中で破いたの!無意識かもしれないけど! 『約束』を忘れたり、放棄したり、信じなかったら破れちゃうの!」 どうせ約束なんか覚えてないんでしょ、と言って美奈はプイとそっぽを向いてしまった。 「あぁ…」 思い出した。 美奈が死ぬ直前に言った言葉だ。俺に会いに来る、というあの言葉。 葬儀のときに俺はその約束は果たされるわけがないと思って捨てた。 「本当なら、もっと早く会いにこれたんだから…」 横ですねた声を出す美奈の頭を軽くたたいてやった。 「これ拾ってくれてありがとな。…約束信じなくてごめんな」 「…会えたから、いい。許してあげる」 月の光に照らされた美奈の顔は幸せそうだった。 優 著
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