スピッツの曲にまつわるオリジナル小説

群青 (作者:三日月 遥)

群青 【第3章】

その日、俺は要と帰る事にした。
過去の話、もしかしたら思い出せるかもしれない。
「なぁ要。俺…お前となんか約束とかしとったか?」
要はうつむいた。
少し、怒っているようにもみえる。
「あんた…ほんとにバカね。それ、冗談のつもり?」
俺はカチンときた。
何様のつもりだお前は!!
まったく女王様かよ!
俺は要の胸ぐらを掴んで無理矢理こっちを向かせた。
「知らねーからきいとるんだが!意地はっとらんでさっさと言えや!」

要は冷静に、「もういいわ。」と一言呟いた。
その瞬間、要は俺の手を振り払った。

要は泣いてた。
俺が要を泣かせた。
ふと、ものすごい罪悪感に襲われる。

約束とか、そんなのもうどうでもよくなってきた。
とりあえず要に謝りたい。

でも要はいない。

走って帰ってしまった。


俺はぼーっと、足の向かうまま歩いた。

三日月 遥 著