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めざめ by あつこめざめ 【34】後ろを振り返ると眉を下げじぃっと私を見る母が居た「―――なに」と私が聞くといつもより低い声で母は私に言う。 「最近あなた、夜しょっちゅう出かけてるようだけど――――なにをしているの」 「・・・・別にちょっと、コンビニ行ってるだけだよ」 「嘘はやめなさい、あなたってのは分かりやすいんだから。」 キュウっと唇を噛んだ 母の目が痛かった 私が何も言えずに玄関に立ち尽くしていると廊下から小さな影が見えた。その影は私に近づいてきた 「さおりおねえちゃん、どっか行くの?」あどけなく小さな妹は笑って言った、その笑顔は少し翔太に似ていた気がした。 「こら、詩織――――、パパのところへ戻りなさい」 幼い妹の頭に私は手を差し伸べ、目線を合わせるようにして屈んで言った 「おねえちゃん、ちょっとコンビニに行ってくるね、もう9時だから寝てるんだよ」 「コンビニに行くの?じゃあおみやげ、アイス買って来てぇ」甘えた声、彼に似ている ―――おみやげ、?ぞっとした。そして私は返事をした「――――分かった、買ってくるから。」 「明日いっしょに食べようね」ニッコリと何も知らない彼女は笑って言う 「・・・・うん、一緒に、食べようね。」 「詩織、こら。」と母の声。 「・・・・じゃぁ行ってくる。先に寝ていて良いから。」 「ちょっと、待ちなさい!こら、沙織―――!」 ドアを開けて私は体を半分外に出して最後に見る母と妹の顔を焼き付けようと微笑んだ 「―――気をつけて行くのよ。」その言葉とともに扉は閉まった 扉が閉まったところで私はえ?と振り返った 今、『気をつけて』って言った――――?・・・・・ママ? 頬を触って現実かどうか思わず確かめた、夢じゃない。これは。 ママが、今私に―――――。 あ、おみやげのアイス―――――。 ママに名前を呼ばれた。そうだ、私は坂本沙織、だ。 妹がおねえちゃんと呼んだ。ああ私はこのこの姉なのだ。 エレベーターがやってきて私はその中に吸い込まれるようにして入った 機械の匂い、ああ、翔太――――。 屋上に着いた、夜はたった今、ゆっくりと幕をあげた あつこ 著
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