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SUGINAMI MELODY [作者:あつこ]

■ 27

私と彼は私の家に行った、窓から見た夕焼けはいつの間にか暗い夜になっていて三日月と星が浮かんでいた
彼はベッドの上に座る、私は紅茶でも出す為に台所へ向かう

「圭ちゃん、ミルクティーかレモンティー、どっちがいい?」
そう言いかけてベッドの部屋を覗くと彼はベッドに横たわって寝てしまったらしい

「せっかく、久しぶりの対面なのに。」
私はそう、呟く

1人分のミルクティーを飲む、体があたたまる
ろくな場所で寝ていないんだろうなぁ、疲れていたんだろう
圭ちゃんのお気に入りのCDでもかけようかな、きっと良い眠りにつけるだろう。
そう思って立ち上がる

「えっ?」何か圭ちゃんが言ったような気がして私は振り返ると圭ちゃんは寝たまま
でも何か言ってる。寝言?
耳を圭ちゃんの口元に近づける、耳を澄ます。

唄っている、いつもギターで弾いてくれたあの曲だ
懐かしい、圭ちゃんがここに居る。
涙がまた少し出てくる、ここんとこ涙腺がずいぶん弱くなっている。

彼の口から聞こえる懐かしい歌と海の匂い。

みんな大好き、他は何もいらない。

彼の頬に私はキスをした、それでも彼は寝たままだった
キスのしがいがなくって、小さくため息をつく。

カラカラ カラカラ カラカラ カラカラ
風ぐるまが鳴る
カラカラ カラカラ カラカラ カラカラ
飽きることもなく、回り続ける

このまま、ずっとこうしていたい。三日月に小さく祈る
圭ちゃんが居る、こうして私の目の前で愛らしい寝顔で寝ている
圭ちゃんが生きている。
愛する人が居る、私はその人に愛されている
これ以上の幸せなんてどこにも見つからない。

愛する人が居る限り、私はもう誰も傷つけることなんて出来ない。


カラカラ カラカラ カラカラ
風ぐるまは私たちの時間を乗せて回り続ける

カラカラ カラカラ カラカラ
私たちはとめどもなく愛し合い続ける

カラカラ カラカラ カラカラ
ベランダからの風ぐるまが子守唄のように優しく眠りに誘う
私はベッドで寝ている圭ちゃんに寄り添うように、頭を近づけて眠りに落ちる

ミルクティの湯気が立つ
淡いピンクの曇りで視界がいっぱいになって彼のふもとで私は眠る

起きたら、彼に書いた手紙は処分しよう。だってもう彼は居るもの。
約束を覚えているかなんて私は聞かない。なんで旅をしていたのかなんて私は聞かない。
そんなことどうでもいい。ただ、

好き、それだけ

目が覚めても、終わらない夢を2人で見続けることが出来る


☆あとがき☆

こんなにすんなりと楽しく書けた話は初めてです。
だいぶ独りよがりな文章になってしまったと思うけれど読んでくれて
少しでも何か、見るものや考える事や、思い出してくれたら幸いです。
感想貰うと元気になります。
読んだ方は今すぐ感想掲示板へ!笑
すいません、今調子乗りました・・・汗
個人的に圭ちゃんは私の好みで草野さんの雰囲気を出せたらいいな、って
思いながら書いていました。
批判でも、中傷でも構わないので、何か感想を述べてくれると嬉しいです。
読んでくれていた方、本当にありがとうございました!
みんな大好きデス!

↓目次

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