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月に帰る  [作者:猫]

■ 14

でも、俺は自分でも分からなかったけど取り乱さなかった。
だけど何も言えなかった。

すると彼女は急に立ち上がってドアへと走った
「ルナ!!!!!!!!」
彼女は自ら、月明かりを浴びていなくなろうとしたのだ
俺はただ必死で彼女の腕を掴んで
引き寄せて、強く抱きしめた。彼女が折れてしまいそうなくらいの力で。
俺は今最悪なことをしたんだろう、
彼女が選んだことをこんなにも必死で俺の気持ちで阻んでしまった
ルナは弱弱しく持たれて、声を出さずにひたすら泣いていた

こんなに弱った彼女を初めて見た。
俺はただ彼女に居なくなられることが怖くて、
彼女を放すことが出来なかった。
抵抗することもなく、何も話すこともない彼女に
揺るぎのない決心が見えた

もう、さよならなんだ。



「ルナ、明日海に行こう、だから・・・」

「・・・だから??」
ああ、やっとしゃべってくれた
「今日は、まだ居てよ。約束してくれたら、放すよ」

「放されたら居なくなる気がする。」

「そっか」
真面目に言ってるのかどうかは知らないけれど
そんな彼女がとても愛おしかった

だから俺は彼女をもっと強く抱きしめた



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