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月に帰る  [作者:猫]

■ 5

何日か経ったある日
携帯がなった。それと同時に俺はゾッとした。
ずっとバイト先に連絡を入れてなかった。

「・・・はい。」
「波崎くん。君さあ・・・何回連絡入れたと思ってるわけ?」
呆れた果てた声で店長は説教を始めた
言い訳は出来ないことくらい分かってるけど、
何も知らないくせに、と言いたい気持ちでいっぱいだった。
「とにかく、今すぐ来れる?」
「はい、すぐに行きます」
大きくため息をついて、さっきまでの説教に対する苛立ちを和らげた。
「どうしたの?」
「バイト先だよ、色々あったからさ。君だって急に来たし」
「今から行く?」
「うん。そうだ、一つ頼まれてくれないかな。」
「何?」
「夕飯に何か買っておいて。」
「・・・わかった。」

バイクで飛ばしてバイト先へ向かった
何故だろう。月はとても不安げな、寂しそうな顔をしていた気がする。
まさか、子供じゃあるまいし、一人でいるくらい何の苦もないはずだ。
幼いところもあるけど一応大人なんだし。
そういえば月が来てからもう2週間も経つのか・・・

はっと気づいた。
俺は2週間ずっと彼女を一人にしたことがなかった。
というより、彼女はずっとまるで何かに怯えるように一人になりたがらなかったのだ。

「大丈夫だろ・・・」と小さくつぶやいた



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