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あじさい通り [作者:ぽわん]

■14

陽菜は安心したような、微笑んでいるような顔で、永遠の眠りにおちてしまった。

田橋の父親や、陽菜の両親が部屋に駆けつけてくる前に、ひとり病院を出た。
誰とも話したくなかった。

十字路で信号につかまった。
目の前をたくさんの車やトラックが走る。
立ち止っていると、さっきまで陽菜の手を握りしめていた右手がまだ温かく感じられた。

もう触れられない、陽菜には。もう二度と会えない、陽菜には。

手のぬくもりが、余計に現実を僕に思い知らせた。

「僕も死んだら・・・・・陽菜に会えるかな・・・・・?」

触れたい、陽菜に。会いたい、陽菜に。

思いがどんどんつのる。

目の前の信号は赤。車やトラックが走る。

右を見ると、大型トラックが近づいてきているのが見えた。

陽菜に・・・・・・会えるのなら・・・・・・・・・。

僕は

トラックめがけて 足を動かした



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