スピッツ歌詞研究室 オリジナル小説
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仲良し  [作者:ぽわん]

■ 2

 翌日・・俺は優奈のお望み通り、学校の自動販売機で90円で
買える「100%オレンジジュース」を買うことになる。

  競争をすればたいてい俺は負ける。 陸上部仲間としても優奈とはつるんでいるが、
10回走れば2回しか勝てない。普通なら男が女に負けるなんて・・・
と情けなく思うところだが、優奈の小さい背中を追いかけてるうちに、
自分のタイムがのびつつあるのも確かだった。

オレンジジュースを片手に廊下を歩いていると、優奈と、陸上部仲間の
美樹が、きゃっきゃと騒ぎながら歩いていた。

「おい、優奈!!昨日の商品だぞ!」

ぶっきらぼうに叫ぶと、優奈は嬉しそうな顔で駆け寄ってきた。
おまけに、美樹がニヤニヤしながら寄ってくる。

「ありがとっ!!」

俺からオレンジジュースを奪うと、にたぁと満面の笑みをうかべるもんだから、
思わずこっちも苦笑してしまった。

そんな俺たちを見て、ますます美樹がニヤニヤしながら言った。

「あらあら、本当〜に仲がよいことぉ。言っとくけどね、草平、優奈を狙う
男はいーっぱいいるのよぉ?彼女にしとかないと、とられまちゅよぉ〜」

「ちょっと、美樹!!」

顔を赤くして優奈が声をあげる。

・・・優奈を彼女に・・・・?

  俺はただただ黙り込むことしかできなかった。優奈と付き合うなんて考えた
ことが一度もない。だいたいコイツを狙う男なんているのか?・・・などと
ゴチャゴチャ考えていた。

  黙り込む俺を見て、優奈は苦笑いをしながら、オレンジジュースを片手に、
美樹と先へ行ってしまった。


  廊下の窓からから射す昼間の太陽の光が、やけに眩しかった。



↓目次

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