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飛ぶカモメ [作者:七味Y]

■4

カーテンの隙間から、優しい朝日が差し込んでいる。
布団の中で一つ寝返りをうった。
いつもの癖で枕元の時計を見ると、午前八時になったところだ。
俺は、携帯電話を握りしめたままで眠ってしまったらしい。

きっとこの時間なら、あいつは起きているだろう。
すごく大事なコトだし、やっぱり会ってきちんと話すべきだと思う。
正直、なんて言ったらいいか自分でもよく分からないけど。
とりあえず思いっきり背伸びをして、なんとか布団から這い出した。
そのまま少し考えて、俺はサナエに電話をかけた。

心の中で自分に、
『大丈夫。相手はあのサナエだ。俺の前で平気でイビキかいて寝始める奴だ。変に意識したら駄目だ!!』
と自分に言い聞かせた。

プルルル・・・プルルル・・・プルルル・・・プツッ
『・・・はい。もしもし?』
うわ、出た!!当然だけど。
「えーっと、ギンジだけど、あのさ。」
俺が全部言い終わる前に、サナエは嬉しそうに言った。
『あぁ、ギンジ?良かった。ちょうど電話しようと思ってたんだよね。』
珍しい事もあるもんだな、と思ったけど、口には出さずに俺は続けた。
「マジで。じゃあさ、今から会えないかな。話したいことがあるんだ。」
よっしゃ!言えた!!つうか、俺は中学生か!?
『う〜ん・・・。分かった。いいよ。あすなろ公園に十時ね!』

そのまま、電話は一方的に切れた。
なんかあっけなくて、面食らってしまった。
サナエは一体何を言うつもりだったんだろう。
それに、やたらと明るかった気がする。

とりあえずあいつになんて説明するか、しっかり考ないと


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