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神様のサイコロ  [作者:ユウコ]

■ 第6話 Last Dice (1/3)

幸せは誰もが望むもの。

それを手に入れるのは神様のサイコロにかかっている。

でも・・・・・・。

「ねぇ、あの女性が幸せを呼ぶ人形を貰ってあなければ人生変わっていたのかな?」

私はテレビの画面を見つめたまま少年に問掛けた。
少年は私をチラリと見てから画面に視線を戻して答える。

「そうだろうな。人形を貰った時点でサイコロは振られていた。もしボーボボー人形を貰ってなけりゃ負け犬さ」

「ボージョボーだって・・・・・・」

私は呆れたように呟く。

「不思議だね神様のサイコロって。あなたは特別な時にしか振られないって言っていたけど、
あの女性は貰えるかどうかもサイコロにかかっていたんじゃないの?
人形を貰うことは特別なことじゃないと思う。特別なのは旅行に行った友達じゃないの?」

私は上目使いで少年を見つめる。少年はぎこちなく頷いた。
私はテレビの電源を落とし、傍にあったベージュのコートをはおる。

「お前さ、あんまり疑問に思うなよ・・・・・・」

少年は外に出ていく私を見送った。

神様、あなたは何十億の人のサイコロを振っているのですか?

だとしたら あなたは誰?

キリストでも釈迦でもゼウスでもない。

それらは人間の手で創られた神様。

だからあなたはどこにいるのでしょう?

神様・・・・・・。



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