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一杯のコーヒー  [作者:新藤 アキ]

■第1章−9

ユーリはカウンターの後ろにあった扉を開けた。
その先にも扉があり、少しおもしろい構造だった。

「こっちにも扉があるんだ・・・・・・」

「真正面にある扉は部屋に繋がってて、右の扉はお風呂、左の扉はトイレ」

「おもしろい設計だね」

「姉ちゃんが考えたんだ。最初は慣れなかったけど、慣れたら楽しい家だけどね」

真正面の扉をあけると、そこには階段。
ユーリが階段を上り終わったところでボクも階段を上っていった。
そこにはまた二つの扉。どうやら右側がユーリの部屋らしい。

「じゃあ、こっちの左側の部屋、使ってね」

ユーリが扉を開けてくれたので先に入る。
ユーリの部屋はキチンと整理されていて、薄い桃色とクリーム色が縦じまの模様の壁紙。
棚には本がズラリと並んでいて、その上には時計。
机には棚に入りきらない本と筆記用具が置いてあった。
ベットもきれいにしてあった。 一番奥にあって大きなクローゼット。
ユーリはクローゼットのなかから大きな袋を出し、その中身をドサッと出した。

「じゃあ、このなかから選んで。レースカーテンと厚いカーテン。その間にシーツとかけ布団と枕出しておくから」

「うん、わかった。ありがとう」

いろいろなカーテンの中から選んだのは、白いレースカーテンと青い厚いカーテン。
すぐに決まったので、ユーリの手伝いをした。
シーツは真っ白で、掛け布団は青と緑の縦じまの模様で、枕もかけ布団と同じだった。
ユーリの部屋の隣、つまりボクの部屋に入ってみる。

入るとすぐに目に入る窓。その手前にはベット。
壁紙は薄い青と薄い緑の縦じま。かけ布団と同じような感じだった。
部屋の隅には小さな棚、その隣には机。
ベットと机の位置は反対で、その二つの家具の真ん中にはクローゼット。

ここで新しい生活が始まるのかと思うと、胸が高鳴った。



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