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スパイダー2 [作者:あつこ]

■16

別れ際にに出されたくない話をした
「高木君、好きな人だれ?」
僕は、また、ビックリしてしまったけどここは冷静になって
「いつか、教えるよ。」とだけ言った
「今井さんは、好きな人いないの?」今度は僕が聞き返したら
今井さんも僕みたいに、真っ赤になって。黙り込んでしまった
「図星だ、今井さんも分かりやすいな。」
そう言うと今井さんは照れながら笑って言った
「・・・遼くんじゃぁ無いよ。」

遼じゃ、無いの?嘘!?
「えっ、じゃぁ、誰!?」
そう聞くと、今井さんは、「遼くんだと、思ったんだ」とだけ言った
彼女の、黒い肩まである髪が、風になびいた
制服の、白いブラウスの洗濯した香りが、フワッと感じた
その時、僕はむしょうに彼女をかわいい、と思った

「僕が好きなのは、今井さんだよ。」

思わず言ってしまった。
言ってはいけない一言を、僕は言ってしまった。
今井さんは、えっ?とでも言うようにして僕を見た
「いきなり、ゴメンね。でも、本当だよ。」
僕が精一杯の一言を言うと、今井さんは困ったようにして
「でも、だって、高木君は・・・・」
突然の僕の告白に戸惑う、今井さんすら愛しく思えた。

「じゃぁ、バイバイ」
僕は勝手にそう言って、走って家へ帰っていった。
何故だか、分からないけど走ってる途中に涙が溢れてきた
後ろを少し見ると、さっきの場所で立ちつくしている今井さんがいた。

なぜか、涙が溢れてきた


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