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スパイダー2 [作者:あつこ]

■6

彼女は、どんな気持ちでこの曲を弾いているのだろう?
僕はこの曲を聞くとあの君の横顔が出てくる
すぐにでも泣きそうだけれど、必死でこらえて笑っている。そんな笑顔
思い出すだけで涙が出てきて
泣きつかれて、僕は眠りにおちた

起きたら朝で、すこし曇っていて外れた天気予報に舌打ちして
小さな傘を持って学校へ向かった
「あ、雨」一緒に登校している遼が小さくそう言った
「じゃぁ、部活無いんじゃね?超ラッキーじゃん!」
そう笑いながら僕たちはくだらない話をしながら、雨を見守った
今井さん、何部なんだろう?今まで気に留めたことも無かったから何も知らない。
遼なら知ってるかな?そんなこと考えながら僕は適当にあいづちをうっていた
「あ、あのさ。」
「なんだよー人が話してるってのに」遼が頬をふくらませてそう言った
「あ、わりぃ。あの、今井さんって知ってる?」
僕がそう言うと遼は少し考えて「知ってるもなにも」
あんなに明るい遼がすこし目線をそらしながら言った
「俺、前付き合ってたんだよ」
遼が?今井さんと?えっ・・・?

「し、知らなかったよ。。。」
遼の目を見れなかった、あんまりだよ。そんなの
「付き合ってた、って言ってもだいぶ前の話だぜ?」
そうやってムリヤリっぽく笑った遼の顔はとてつもなく、切なかった。
「なんだよ〜もっと早く言ってくれたって良いじゃんかよ〜」苦しみを噛み切って僕もそう笑った
「だってさぁ、その時はまだお前と仲良く無かったんだよ、ほら、
俺らって運動会頃から仲良くなったじゃん?」
「あぁーリレーだっけ?一緒だったんだよな、確か。
えっ、じゃぁ何で付き合ってたんだよ。」

遼がこの話に触れられたくないのは見ていれば分かった
運動会の思い出話でもしようと必死で話をずらそうとしたんだと思う。でも、
知りたかった、遼が嫌がってもこれだけは知りたかった
最悪だよな、友達が嫌がってるのを分かってながらこんな事聞くだなんて
でも、、、、

「俺が好きになって、告ったんだよ。したらたまたまOK貰って
つ付き合ってたんだよ。」
遼が、今井さんを好きになって今井さんも遼が好きで・・・?
「なんで、別れちゃったんだよ。」素直に聞いた
「分かんないんだ、なんかいきなり別れようって。
でも、
これで良かったんだと思う」
遼がこんなに暗いのを初めて見た
いつもの通学路がとても永く感じた



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