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ミカンズのテーマ [作者:ミカンズ]

■9

走った。帰り道夕暮れの中を駆け抜けて玄に合いに行った方が良いと思ったから。
違う。僕は玄の事好きだったんだ。インフェスで気づいたのはその気持ちと、
自分たちでは何にも出来ないという恐ろしさ。恐怖
だから僕は玄やちづると離れた。ユウスケは平気だった。自分の気持ちをからかわないでいてくれるから。
ユウスケ。お前ずっと気づいてたんだろ?僕の気持ちに。伝えたいことば全てに
ユウスケは馬鹿じゃない。天才だ。大切な友人だ!  叫びたかった。
学校から僕の家を通ると玄の家は近い。あと数十分ぐらい。
夜九時だったら荷物積みも終わってるだろうな。
着く、着く、着いた。制服は汗で黄ばんでる。ネクタイなんか外し輝を通り越して、最悪の格好をしているよ。
ブルルルル、、軽トラが僕の前を通って進んで行く。

「げっ玄!」

とりあえず玄と叫んだ。パンチパーマの玄のお母さんら四季の人の隣に、セミロングの子がいた。
あれはショートヘアーの頃の玄と違う、玄じゃないと思った。

「っ、、。ミカどしたの!?制服で寒いのに!?」

玄だった。一年間全然みてなかった。三年は一組の校舎は一年のいる校舎で僕のクラスと違うから。

「て、、転校するなんてしらなっ」息苦しくて何とも言えない声になってしまった。

「転校っていうか、再婚するからお母さん仕方ないんよ。」笑っている。玄笑わないで

「なんで教えなかったんだよ。」

「しょうがないじゃないアタシが転校したって別に関係ないと思ったからよ。当たり前やろ?」

玄に僕はキレそうになった。関係ないなんて言われるのは何年ぶりだろう。

「バカ!」

大声で叫んだ音は、軽トラが通ったときの音より大きかった気がする。
それから言った全ては覚えていない。





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