スピッツ歌詞研究室 オリジナル小説
スピッツ歌詞TOPオリジナル小説>マフラーマンTOP〜プロローグ

マフラーマン [作者:larkheart"95]

■プロローグ

それは語られることのない歴史。一人の純粋な少年が暴政を倒すまでのありふれたようで新しい話

春の彼岸ごろ一人の傷だらけの少年が墓石の前に立っていた。
その少年の傷は酷いものであったが表情はさわやかであった。
目を閉じる。彼女は僕を許し、微笑んでくれるだろうか?
生き残った僕を許してくれるだろうか?
俺の名は隼(しゅん)。どこにでもいる学生…のはずだった。普通の世の中なら
俺の彼女、ゆうひは僕の目の前の墓石の中で眠っている。
俺の手元に残っているのは彼女の作った赤いマフラーのみだった。
なんでだろう…いや初めからこうなると分ってたのに、何で俺は…。
このさびれた街は今、エスパーと名乗る軍団が支配している。
そのエスパーがこの街の実権を握って以来俺たちを迫害し続けていた。
いわゆる民族差別というやつだ。
何故迫害されていたかって?
移民族で素性も分らないから宇宙から来たといわれてたんだ
超新星の宇宙虫だの…虫同等とにされていたんだ。
人権なんて俺らにはなかった。
俺は奴らのことが分らない
だから単純な俺はエスパーと戦うことにした。ということだ
自分たちを守るにはこれしかないと考えていたからだ。
きっちり後ろ盾も建てておいた。心配は何もなかった。
でも結果は結果だ。多くの命を巻き込んだのは分っている。
だけどこうするしかなかったと信じている
この悲惨な歴史を作ってしまったのは俺の責任でもあると思うし、それを語り継ぐのも俺の役目だと思っていた。
だから俺はこの事実を語ろうと思う。すべて打ち明けよう、修飾も何もない。

去年の冬のことだった。

↓目次

【プロローグ】 → 【第1章】 → 【第2章】 → 【第3章】 → 【第4章】 → 【第5章】 → 【第6章】 → 【第7章】 → 【第8章】 → 【第9章】
→ 【第10章】  → 【第11章】  → 【第12章】 → 【第13章】  → 【第14章】 → 【第15章】 → 【第16章】 → 【第17章】 → 【第18章】
 → 【第19章】 → 【第20章】 → 【第21章】 → 【第22章】