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小さな街の中で [作者:たぬき]

■第7話 [2/2]

「暇で暇で仕方がないだろ、一人だと」
浩樹がニヤニヤしながら聞いてくる。
「…」
返答のかわりに、しかめっ面を返す。裏庭での一件以来、なぜが少し気まずかった。
だから真生は、浩樹に最近無愛想に対応していた。
しかし隣の席なので、どうにも「関わらない」ということは出来ない。
「オレが行動を友にしてあげようか」
「…うるさいな、ほっとけよ」
浩樹の軽い態度に、なぜか苛立って、席を立った。
そしてとりあえず黒板の時間割を見に行った。
一時間目は体育だった。

(げ。初っ端から移動教室かよ…)

このまま教室にいても暇なので、いち早く更衣室に行こうと準備をしていた、そのとき。

「ねぇ真生ちゃん、体育、一緒に行こうよ」

真生にとってはこの上ない嬉しい言葉をかけられた。

「あ、近藤さん…」
そこにいたのはクラスの人気者、学級委員長、サラサラの長い髪、長いまつげを持つ女の子――近藤真希だった。
「でも、いつも一緒にいる子は――」
真生は知っている。真希はいつも他の友達と三人で行動している。しかし、
「あー、気にしないで。ね、行こ」
真希は笑顔で真生の手を引いた。

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