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小さな街の中で [作者:たぬき]

■第4話 [2/2]

一時間半がたって、真生は寝そうになっていたそのとき


           『ピーンポーン』


真生の目がハッキリと覚めて、

「予定より早い…」

不機嫌になる。

「あ、ゴメン真生、出て」

瞳はデータを一時保存している途中だった。
しぶしぶ、真生は玄関の戸を開ける。

「はーい。」

「あれ?真生か。お母さんは?」

優一は少し疲れた様子で立っていた。

「たぶんもーすぐ来ますよ」

「よし、出来た」

瞳はパソコンを閉じて、玄関に向かう。

「どうも〜、真生がいつもお世話になって…」

「あ、こんにちは〜、真生さんの担任の…」

瞳と優一の動きが止まる。シーンとした空気が流れた。

「?…ちょっと?」

真生が困惑していると、

「ゆ、優一?」「瞳?ほ、本当に…」



優一の部屋に飾ってある写真―――写っているのは若き日の優一と、
『水谷』さんの笑顔――若き日の瞳の笑顔だったのだ。

↓目次

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